背景・狙い

(公財)ひろしま産業振興機構 カーテクノロジー革新センターでは、広島県の事業として、地域の自動車部品サプライヤー企業様が合同で電気自動車(EV)を調査・研究する環境を提供することで、技術獲得と人材育成を行う「EV研究プロジェクト」を開始しました。マツダ株式会社の協力も得ながら、県内の産学官が連携してのEV研究は初めての試みとなります。

自動車産業は、カーボンニュートラルやCASEに向けた「100年に一度の変革期」を迎える中、各自動車メーカーは2025年から2030年に向けてEV化を加速しています。
EVは、「車輪のついた電池」と表現する人もいるほど、その構造は内燃機関自動車と異なる部分も多く、自動車関連産業には大きな技術転換が求められています。例えば、EVの価値を最大化する革新的な車体構造や車室空間の実現や、新しいエレキ技術やコンピュータ技術への対応など、ものづくり技術の更なる熟成と新たな発想でEV化の波を乗り越えるイノベーションが求められます。そこで、当センターでは、地域の自動車関連産業への以下の2つの支援を目的に、地域一体となった技術獲得と人材育成を推進する「EV研究プロジェクト」を開始しました。

1世の中のEV技術の理解と、広島独自の新技術の開発

実際に電気自動車を用意し、「新技術トライアル・ラボ」において、車全体から部品に至るまでの機能・性能や構造などの様々なデータを計測・調査・分析して地域の財産にすると共に、地域の自動車部品サプライヤー様と一緒に「EV特有の課題」や「新技術につながるネタ」を探ります。 そこから研究開発を経て、今後3年間(~2024年度)でEVに対応した部品を試作し、自動車メーカーへの提案を目指すなど、地域の自動車関連産業のEVへの対応力強化と新技術の確立に役立てます。

2EV開発が出来る技術人材の育成

当センターではこれまでEVの原理や仕組み等の基本的な座学教育を提供してきましたが、当プロジェクトにおいて「座学教育」と「調査・研究の実践」の両輪の活動にする事で、若手技術者に知見習得の機会を提供し、ハードとソフト両面を含めたEVシステム全体を俯瞰できる技術人材を育成していきます。

EV研究プロジェクト

実施体制

カーテクノロジー革新センター 常務理事 1名 / 新技術トライアル・ラボ 6名

参画企業 (主に広島地域の自動車関連部品メーカー)16社(2022年9月時点)

協力体制

当財団も参画している「ひろしま自動車産学官連携推進会議(ひろ自連)」の産学官体制に協力いただき、広島県・広島市・中国経済産業局・マツダ株式会社と連携しながら、EV研究プロジェクトを推進していきます。

※「ひろ自連」は、自動車産業を中心に地域のものづくり産業の発展や活性化を図ることを目的に、平成27年に結成した産学官連携組織。 常任団体は、(公財)ひろしま産業振興機構、マツダ株式会社、広島大学、中国経済産業局、広島県、広島市の6団体です。

ひろしま自動車産学官連携推進会議(ひろ自連)
協力体制

主な研究領域

地域に多いファンダメンタル部品(車体骨格の金属部品や、内外装の樹脂部品など)を対象に、以下の領域から研究に着手します。 今後、参画企業の拡大と共に、CASE/ソフトウェアの領域等についても、調査・研究範囲に拡大していく予定です。

  • 振動騒音(NVH)

    EV独自の車両構造に起因する振動・騒音に対して、これらを低減するための技術。

  • 熱マネジメント

    電費改善に向けた、車室断熱特性の向上や電動化デバイス等の技術。

  • 軽量化

    バッテリ等の重量増加に対して、軽量化を目指した新構造・新素材の適用技術。

活動スケジュール

2022年度
EVの調査・計測・分析、EV特有の技術課題の抽出。
2023年度
技術課題に対するメカニズム解明活動と、解決に向けたアイデア発想。
2024年度
解決構想にもとづいた部品試作と、新技術の効果検証。

活動報告・レポート

EV車両が納車されました。

2022.7.7

乗用EVの調査・研究に使用する「日産アリア」が納車されました。現在、この車が全国的に入手困難な中、はるばる熊本県の業者からやってきました。この車両を使用して、車両性能、機能を調査し、EV化対応に向けた開発課題の探索に向け、本プロジェクトが動き出します。

EV車両EV車両

日産アリアの見取り/試乗会を行いました。

2022.7.18 - 8.5

参画企業から多くの技術者が来所され、外装や装備をていねいに観察されたり、試乗では静粛性や乗り心地などを体感されました。また車両のリフトアップ状態では、アンダーカバーを外し、内外装、電機駆動部、バッテリなどの構造や取付状態などが確認できました。試乗後のアンケートでは、ロードノイズの静かさやインパネのタッチスイッチの先進性と質感の高さを挙げる回答が多く、また、各社それぞれに、課題や気づきを得られたとのことでした。
期間中は、コロナ感染対策に配慮し、来場される企業や人数を日ごとに制限しながら実施しました。

日産アリアの見取り/試乗会日産アリアの見取り/試乗会

お問合せ先

EV研究プロジェクト

(公財)ひろしま産業振興機構 新技術トライアル・ラボ内
TEL:0823-27-3450
E-mail:lab@hiwave.or.jp

ページトップへ